大腸カメラ(大腸内視鏡検査)について
肛門からスコープを挿入し、大腸すべてを観察できる内視鏡検査です。
大腸ポリープ、大腸がんなどを早期に発見することができます。
ほとんど症状のない大腸がんを早期に発見
大腸がんは、自覚症状がほとんどないがんです。そのため、大腸がん検診などを受けたときに初めて発見されることも少なくありません。
大腸ポリープの段階で発見することで、ポリープのがん化を防ぐ、つまり大腸がんの予防をすることができます。
特に、以下に該当する方は、一度大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
- 便潜血検査が陽性だった
- 便秘や下痢が続いている
- 便が細くなったような気がする
- 大腸がんになった家族がいる
- 症状の有無にかかわらず、40歳以上の方
当院の大腸カメラ(大腸内視鏡検査)の強み
鎮静剤を使用した苦しくない検査の実施
最新の内視鏡システムの使用
経験豊富な医師による検査
大腸ポリープ切除の日帰り手術の対応
(※ポリープの大きさによっては連携する病院をご紹介させて頂きます。)
土曜日の内視鏡検査の実施
大腸カメラでわかる病気
大腸ポリープ
良性のポリープですが、放置すると大きくなったりがん化することもあります。
内視鏡での切除が可能です。
大腸がん
多くは、ポリープからがん化したものです。出血による便潜血、下痢・便秘、便が細くなるなどの症状が見られることもありますが、無症状のまま進行することもあります。
食生活の欧米化、運動不足、飲酒・喫煙、肥満、遺伝などが重なり発症すると言われています。
進行して転移を起こすと、死亡率も上昇します。初期の大腸がんであれば、内視鏡による切除ができることもあります。
大腸憩室症
大腸の内側から外側に向けてくぼみが生じている状態です。大腸内視鏡検査を行うと、約1割の方に見られます。
食生活の欧米化などが原因と言われています。
大腸憩室症そのものには、症状がありません。しかし、くぼみの中で炎症や出血が起こることもあり(大腸憩室炎・大腸憩室出血)、その場合には内視鏡を用いた止血処置などが必要になります。
潰瘍性大腸炎
国の難病疾患の指定を受ける、20代によく見られる病気です。はっきりとした原因はまだ分かっていませんが、遺伝や自己免疫、食生活の欧米化などが関係しているのではないかと言われています。
大腸に炎症が起こり、下痢、下血、腹痛などの慢性症状が見られます。
虚血性腸炎
主に生活習慣病に伴う動脈硬化によって、大腸粘膜への血流が不足することで発症します。
初期の症状としてよく見られるのが腹痛です。進行するにつれて、その強さを増していきます。その他、吐き気・嘔吐、冷や汗、下血などの症状を伴うことがあります。
クローン病
原因の分かっていない難病です。
大腸に炎症・潰瘍をきたし、腹痛、下痢、血便などの症状が見られ、その回復と悪化を繰り返す特徴的な性質を持ちます。
炎症が悪化している、高熱が認められる場合には入院加療が必要になりますので、速やかに提携する医療機関をご紹介します。
腸結核
結核菌の腸での感染を原因として発症します。
腹痛、発熱、下痢・便秘、下血、膨満感、食欲不振、体重減少、吐き気・嘔吐などの症状を伴います。ただし、症状が認められないケースもあります。
よく知られている肺結核と同様に、抗結核薬での長期(半年以上)の治療が必要になります。
直腸潰瘍
直腸下部に潰瘍ができる病気です。
通常、自覚症状はありません。ただ、進行し出血した場合には、血便、貧血が生じることもあります。はっきりとした原因は分かっていませんが、ご高齢の方、栄養不足傾向のある方によく見られます。大きくなると、リンパ節や肝臓へと転移することもあります。
大腸脂肪腫
脂肪でできた良性の腫瘍が、大腸粘膜にできた状態です。
基本的に治療は必要ありませんが、大きくなって大腸を塞いでしまうことがありますので、定期的な観察を続けていきます。
大腸メラノーシス
大腸粘膜が黒っぽく色素沈着している病気です。
ほとんどは、便秘薬に含まれる「センナ」や「大黄」などの物質を原因として起こります。ただ色素が沈着するだけでなく、腸の働きが低下したり、便秘の原因になったりすることもあります。また、便秘薬が効きにくくなります。
便秘薬の使用の中止・見直しが必要です。
大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)の流れ
検査の前日
20時までに、消化の良いもので夕食を済ませ、そのあとは絶食です。
その後も水、お茶は飲んでも構いませんが、アルコールはお控えください。
就寝前に、事前にお渡しする下剤を飲んでいただきます。
検査日の朝
朝から引き続き絶食です。
検査開始の1時間前までは、水、お茶は飲んでも構いません。
※状況、ご希望に応じて検査で鎮静剤を使用することがあります。鎮静剤を使用すると、その日1日は乗り物の運転ができません。そのため、車・バイク・自転車でのご来院はお控えください。
ご来院後
問診により健康状態、排便状況をチェックした上で、下剤を飲んでいただきます。何度かお手洗いに行っていただき、ほとんど透明の便が出るまで排便を繰り返します。
必要に応じて鎮静剤を投与し、検査を開始します。鎮静剤を使用すると、半分眠ったような状態で、あっという間に検査を終えることができます。
検査時間は、15~30分です。ポリープを切除する場合には、多少時間が延びます。
検査結果説明・ご帰宅
鎮静剤を使用しなかった場合
準備が整ましたら診察室にて検査結果の説明を行います。ただし、病理組織検査(生検)を行った場合、その結果のお知らせは後日となります。
検査結果説明が終われば、ご帰宅いただけます。
鎮静剤を使用した場合
院内でゆっくりとお休みになっていただいた上で、意識がはっきりとしてから検査結果説明を行います。病理組織検査(生検)の結果説明は後日になります。
検査結果説明が終われば、ご帰宅いただけます。できる限り、ご家族と同伴でお帰りいただくことをおすすめします。当日中は、車・バイク・自転車の運転はできません。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)費用
大腸カメラ検査(観察のみ) | 7,500円前後 |
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大腸カメラ検査+病理組織検査 | 9,000〜15,000円前後 |
大腸ポリープ切除 | 21,000〜30,000円前後 |
- 3割負担の場合の費用です。
- 検査前の診察にかかる費用は含まれておりません。
- 使用する薬剤、鎮静剤の有無などによって料金が上下することがあります。
大腸カメラ検査後の注意事項
- 鎮静剤を使用した場合、当日の車・バイク・自転車の運転はできません。
- 当日中は、運動、飲酒、長時間の入浴はお控えください。
- 飲食は検査後1時間が過ぎてからとしてください。
※大腸ポリープを切除した場合には、検査当日の運動、入浴はお控えください(シャワーは可)。